これからオリジナルブランドで服の販売を始めようとしている方の中には、服の仕入れをどうすればよいか悩んでいる方もいるでしょう。
服の仕入れは、商品の品質や価格、在庫管理に大きく影響するため、アパレルビジネスを展開する際の重要なプロセスです。
この記事では、服を仕入れる手順から仕入れ先の種類について詳しく解説していきます。
服の仕入れの仕組み
服を仕入れる際は、仕入れ先として、メーカーや卸売業者、時には個人クリエイターなどのサプライヤーを選定し、契約を結びます。これにより販路を確保できます。
サプライヤーとの契約の際は、取引条件や価格交渉などが行われ、具体的な注文内容が決まっていきます。
商品が納品されてからは、自社もしくは代行会社による管理の領域です。在庫管理や販売戦略により、消費者に提供するまでの流れを構築していきます。
服の仕入値と売値の関係
服の仕入値と売値のバランスは、アパレルビジネスの利益を左右するといえます。
仕入値とは、店舗が商品を仕入れる際に支払う価格であり、売値はその商品を消費者に販売する際の価格です。
この2つの価格の差が利益となるため、適切なバランスを取ることが大切です。
まず、仕入値を正確に把握し、どれだけの利益率を設定するかを考えます。
一般的には、仕入値の2〜3倍程度の売値を設定することで、適正な利益を確保しながら、消費者にとっても魅力的な価格帯を維持できるでしょう。
また、競合他社の価格設定や市場動向を把握することや、季節や流行に応じて売値を調整する柔軟性を持つことも重要です。
これにより、過剰な値引きや不当な価格設定を避け、適切な利益を確保できるようになります。
このように、仕入値と売値の関係をしっかりと理解し、戦略的に価格設定を行うことで、安定したビジネス運営ができるでしょう。
服を仕入れる手順
服を仕入れる際は正しい手順をふむことが大切です。
仕入れの手順は以下のとおりです。
- 仕入れ先のリサーチと選定
- 取引条件の交渉と契約締結
- 注文と支払い
- 商品の受領と品質チェック
- 倉庫への納品と保管手続き
- 在庫管理とデータの更新
アパレルビジネスを成立させるには、これらのステップをしっかり管理していく必要があります。
この章では、服を仕入れるための具体的な手順と、各ステップで押さえておくべきポイントを解説します。
仕入れ先のリサーチと選定
服を仕入れる際の第一歩は、信頼できる仕入れ先を見つけることです。可能なら、リサーチはオンラインとオフラインの両方で行いましょう。
オンラインでは、卸売業者の評判や取扱商品を比較し、オフラインでは、展示会や見本市に足を運んで実際の商品を確認します。
また、過去の取引実績やほかのバイヤーのレビューを参考に、品質や供給能力のある仕入れ先を選定することが重要です。
複数の仕入れ先をリストアップし、比較検討しましょう。
取引条件の交渉と契約締結
仕入れ先を選定したら、次に行うのは取引条件の交渉です。価格、支払い条件、納期、返品・交換ポリシーなど、重要なポイントについて詳細に確認し、双方が納得できる条件を確定させます。
また、長期的な取引関係を築くためにも、初回の取引だけでなく、継続的な条件についても話し合いましょう。
交渉が終わったら、正式な契約書を取り交わし、合意内容を明文化しておくことが重要です。
注文と支払い
取引条件が決まったら、実際に注文を行います。注文時には、品目、数量、カラー、サイズなどの詳細を正確に伝える必要があります。
注文確認書を受け取り、内容に間違いがないかを確認し、その後、合意された支払い条件に従って支払いを行います。
支払い方法には、銀行振込、クレジットカード、オンライン決済などがあり、仕入れ先との取り決めに従って進めます。
支払い後は、支払い証明を保存しておくことが大切です。
商品の受領と品質チェック
注文した商品が届いたら、すぐに受領と品質チェックを行います。納品された商品が注文内容と一致しているか、数量やサイズ、カラーに間違いがないかを確認しましょう。
また、品質チェックでは、商品の状態が良好であるか、不良品が混じっていないかを注意深く確認します。
万が一、不良品や数量の不足があった場合は、速やかに仕入れ先に連絡し、対応を依頼しましょう。
このプロセスは、顧客に高品質な商品を提供するために欠かせません。
倉庫への納品と保管手続き
品質チェックが完了した商品は、倉庫へ納品されます。この際、仕入れた服を自社に保管するか、外部の倉庫を契約し倉庫に保管するかを検討する必要があります。
自社に保管する場合、在庫の管理が直接行える反面、スペースや保管環境に制約がある場合があります。
一方、外部倉庫を契約する場合は、保管スペースの確保や温度・湿度の管理が整っているため、大量の商品を安全に保管できるメリットがあります。ただし保管費用や管理業務を外部に委託するためのコストが発生します。
倉庫への納品時には、在庫管理システムに商品情報を正確に入力し、保管場所を決定します。商品を効率的に出荷できるよう、保管場所のレイアウトを工夫することもポイントです。
在庫管理とデータの更新
在庫管理は、仕入れた商品の流れを把握し、適切な在庫レベルを維持するために欠かせません。定期的に在庫を確認し、販売データや在庫データを最新の状態に保つことが重要です。
在庫管理システムを活用することで、リアルタイムで在庫状況を把握し、過剰在庫や品切れを防げます。また、販売動向を分析し、次回の仕入れに役立てることで、効率的なビジネス運営を実現できるでしょう。
服の仕入れ先の種類
アパレルビジネスにおいて、服の仕入れ先の選択は、商品の品質や価格、収益性に大きな影響を与えます。
この章では、7つの代表的な仕入れ先の特徴とメリット・デメリットを解説します。
仕入れサイト
仕入れサイトは、インターネット上で服の仕入れが可能なプラットフォームです。24時間いつでもアクセスできる利便性があり、豊富な品揃えとかんたんに価格比較できることが特徴です。
また、さまざまなメーカーやブランドの商品を一度に比較・検討できるので、自社に合った商品を見つけやすいという利点もあります。
一方で、実物を確認できないため、品質や色味に違いを感じることもあるでしょう。また、サイトやメーカーによっては、納期まで時間を要する場合もあります。
卸問屋
卸問屋は、メーカーから商品を仕入れて小売業者に販売する業者です。物理的な店舗を持つ卸問屋に直接出向いて、商品を手に取って確認できる点が強みです。
実物を手にとって確認できるので、納品される商品がイメージと異なることはありません。まら、直接交渉によって価格を抑えられる場合があるため、お得に仕入れられる場合もあります。
ただし、卸問屋から仕入れる場合は大量購入が求められることが多く、小規模展開を考えている方には負担が大きいこともあります。
メーカー直接仕入れ
メーカーから直接商品を仕入れる方法で、仲介業者を通さないためコスト削減が期待できます。自社ブランドの製品を製造する場合にも適しているでしょう。
また、契約内容によってはオリジナルデザインの注文やカスタマイズが可能な場合もあります。直接大元のメーカーから仕入れられるため、安定した供給も期待できるでしょう。
ただし、卸問屋と同様に一定のロット数を注文する必要があるケースが多く、小規模な仕入れには不向きといえます。
また、直接契約のために何度も足を運んだり、取引条件や契約内容の交渉が難航したりする関係で、取引開始までに時間がかかることもあります。
展示会・見本市
展示会や見本市は、メーカーやデザイナーが新作を発表する場で、最新のトレンド商品を直接仕入れることができます。これまで出会えなかった、仕入先の新規開拓ができる点も展示会ならではのメリットです。
ただし、参加するための費用や時間がかかったり、即座に仕入れを開始するのが難しかったりする場合があります。
海外仕入れ
海外のメーカーや卸売業者から商品を直接仕入れる方法です。安価で品質の良い商品を探すために、中国や東南アジアから輸入するアパレル事業者も増えています。
独自性の高い商品や日本市場にない商品を取り扱えるのも海外仕入れならではの利点です。
海外からの仕入れ先として特に人気があるのが、インポート服の仕入れです。韓国やタイといった地域は、トレンドを押さえた海外服の仕入れに最適な場所として知られています。
例えば、服の仕入れを韓国で行う際には、ソウルや釜山の市場がよく利用されます。これらの都市では、最新のトレンドを取り入れたデザインの服が手に入りやすく、特に若者向けのアパレルショップに人気です。
また、タイでの服仕入れもコストパフォーマンスが高く、多くのバイヤーが利用しています。タイでは、質の良いアパレルアイテムが豊富で、バイヤーが現地で直接服を買い付け海外から持ち帰れば、個性的な商品ラインナップを作ることもできるでしょう。
デメリットは、輸送費や関税がかかるため、商品自体の価格が安くても、総コストが高くなることがある点です。
また、想定通りに納品されない等のトラブルも、海外仕入れならではのマイナスポイントといえます。
古着仕入れ
古着やヴィンテージアイテムを専門に仕入れる方法です。国内外の古着市場やリサイクルショップから仕入れることが一般的です。低コストで商品を仕入れられるため、利益率が高くなりやすい特徴があります。
一方で、在庫の安定供給が難しかったり、サイズやデザインが限られる場合が多かったりする側面があります。
OEM(相手先ブランド製造)メーカー
OEMメーカーに依頼して、自社ブランドの服を製造してもらう方法です。デザインや仕様を指定し、オリジナル商品を作ることができるので、自社独自のブランドやデザインを展開できるでしょう。
ただし、オリジナル品の作成となるので、デザイン費や版代など初期費用がかさむ傾向にあります。
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個人と法人とで仕入れに違いはある?
服の仕入れにおいて、個人事業主と法人では、取引条件や仕入れ量、信用力に違いがあります。
法人は大規模な取引で有利な条件を得やすい一方、個人事業主は小規模展開する傾向にあるので、法人ほど優遇された条件を得られない場合もあります。
とはいえ、個人事業主であっても適切な戦略を立てることで効果的な仕入れが可能です。
ここで、個人と法人それぞれの仕入れにおける違いと、それに対応した最適な仕入れ方法について詳しく解説します。
取引条件と仕入れ量の違い
個人と法人では、取引条件や仕入れ量に大きな違いがあります。
法人は一般的に大量の仕入れが可能であるため、価格交渉がしやすく、単価を抑えることができます。一方、個人事業主は少量仕入れが基本となるため、単価が高くなりがちです。
ただし、小規模な仕入れにも対応している業者やサイトを利用すれば、個人でも安価に仕入れることができるでしょう。
信用力と支払い条件の違い
法人は、企業としての信用力があるため、仕入れ先から信頼されやすく、支払い条件や取引条件で優遇されることが多いです。長期契約や分割払い、後払いなどの柔軟な条件が提示されることもあります。
個人事業主の場合、初めは支払い条件で不利になることもありますが、信頼関係が築ければ、徐々に有利な条件を引き出せるようになるでしょう。
服を安く仕入れるためのポイント
服をできるだけ安価で仕入れるポイントについて解説します。
仕入れ先の比較と交渉
服を安く仕入れるためには、仕入れ先を複数比較し、価格交渉を行うことが大切です。
卸売業者や仕入れサイトを使い、同じ商品を取り扱う複数の業者を比較して、もっともコストパフォーマンスの良い取引先を見つけましょう。
また、仕入れ量が増えるほど単価が下がるため、大量注文による価格交渉も有効です。価格だけでなく、送料や手数料を含めた総コストを考慮し、できるだけ有利な条件で仕入れの仕組みを構築しましょう。
シーズンオフとセールの活用
シーズンオフやセール時期を狙って仕入れることで、コストを大幅に削減できます。
例えば、冬物の服を夏に仕入れれば、通常よりも安く仕入れることができます。セール期間中に仕入れると、シーズン前に在庫を確保し、シーズン到来時に高利益で販売できるメリットがあります。
こうしたタイミングを見極めて、戦略的に仕入れを行うことが重要です。
海外仕入れと直輸入
海外からの仕入れは、国内市場よりも安く仕入れることができる傾向にあります。韓国やタイなど、ファッションのトレンドが早く、質の高い商品を低価格で提供している国々から直接仕入れることで、中間業者を省き、コストを大幅に抑えられます。
これにより、インポート服としての付加価値をつけ、競争力のある価格設定が可能になるでしょう。
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アパレルビジネスを運営するうえで、仕入れはビジネスの成果を左右する重要なポイントです。
できるだけ低いコストで商品を仕入れるのはたしかに大切です。しかし、ただ安く仕入れることだけを考えてしまうと、品質や納品の安定感などに不安が残る場合もあるでしょう。
自社ブランドで体現したいことが実現できるかに焦点を当て、適切な仕入れ先、仕入れ方法を選択してくださいね。
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