既製品に手を加えて「世界に1つだけのオリジナルアイテムを作りたい」と考えている方もいるでしょう。
たくさんの商品がある中で、誰とも被らないアイテムを見つけるのはとても大変です。探すよりも、自分でデザインを考えて作ってしまうほうが、誰とも被らないアイテムを早く手に入れられるかもしれません。
今回の記事では、既製品のアイテムを刺繍でアレンジする方法を中心に、コツや注意点についても解説します。
刺繍する方法を学んで、誰とも被らないオリジナルアイテムを作ってみましょう。
既製品に刺繍するやり方は3通り
既製品に刺繍するやり方は、以下の3つが主流です。
- 手縫いで刺繍する
- ミシンで刺繍する
- 加工サービスに持ち込む
それぞれの特徴や費用感についてみていきましょう。
手縫いで刺繍する
手縫いでの刺繍は、針と刺繍糸を使って布に模様を縫い付ける昔ながらの方法です。さまざまな縫い方を組み合わせることで、表現の幅が広がります。
必要な道具はほとんど100円ショップで揃えられるため、初期費用を抑えられる点も魅力の1つ。あまり費用をかけたくない方や小さい範囲で刺繍を入れる予定の方におすすめです。
手作業で刺繍するため時間がかかってしまいますが、手縫いならではの温かみのある作品に仕上がるでしょう。
ミシンで刺繍する
ミシンで刺繍する際は、刺繍機能が搭載されたコンピューターミシンと、対応する刺繍用ソフトウェアを使います。刺繍用ソフトウェアが扱えれば、オリジナルの刺繍がボタン1つで作成可能です。
ミシンだけで数万円ほどかかるので、初期費用はかなり高額になります。また、ミシンに対応した刺繍枠や刺繍糸なども必要です。
複雑なデザインや大きな作品に挑戦したい方、刺繍機能の付いたミシンを元々持っている方などに向いています。
加工サービスに持ち込む
加工サービスに持ち込んで、刺繍をしてもらう方法です。小ロットや1枚からの発注が可能な事業者もあります。
費用は刺繍のサイズやデザインの複雑さ、事業者の設定料金などによって異なります。安いところだと小さいサイズの刺繍が、1ヶ所あたり数百円から製作可能です。
自分で刺繍をする時間を取れない方や、プロの技術で高品質な刺繍を施したい方におすすめの方法です。道具を準備する必要がなく、デザインの相談に乗ってくれる事業者もあります。
【手縫い】既製品に刺繍するやり方・手順
手縫いで刺繍する際に必要な材料は、以下のとおりです。
- 刺繍針
- 刺繍糸(25番がおすすめ)
- 刺繍枠(図案より大きいサイズ)
- 糸切ばさみ
- 布(刺繍をしたい商品)
- 図案
- ペン
- トレーシングペーパー
- トレーサー
- 転写シート(チャコペーパー)
- 接着芯
ここからは、手縫いで刺繍するやり方や手順を解説します。
1)図案を考える
まずは、刺繍のデザインを考えます。初めて刺繍に挑戦する場合は複雑なデザインではなく、シンプルなデザインからやってみるのがおすすめです。
2)図案を布に写す
考えた図案をトレーシングペーパーに書き写し、チャコペーパーとトレーサーを使って布に写し取ります。布に写す段階で図案がずれてしまうと仕上がりに大きく影響するので、慎重に写しましょう。
3)刺繍枠に布を張る
刺繍枠をあけて布をはめ込み、ピンと張りましょう。布をピンと張ることで、しわや生地のゆがみが出にくくなり、きれいに仕上がります。
刺繍枠を使わず接着芯を貼り、布を補強してから刺繍する方法もありますが、最初のうちは刺繍枠を使ったほうが縫いやすいです。
4)刺繍糸を準備する
刺繍糸は定番の25番がおすすめです。手芸店でもよく取り扱われている種類で、カラーバリエーションも豊富。6本の糸が1つにまとまっており、必要な本数を取って使います。
刺繍糸を取るときは、まとめて取ると絡まってしまうおそれがあるため、1本ずつ取るようにしましょう。2〜3本取って刺繍することが多いです。
5)刺繍を始める
刺繍針に刺繍糸を通したら、さっそく刺繍を始めましょう。刺繍の縫い方にはいくつか種類があり、組み合わせることでさまざまな表現が可能です。布に写した図案に沿って、丁寧に縫いましょう。
6)糸を処理する
縫い終わりの糸処理方法は、布地によって使い分けます。織りが粗い布を使用している場合は、裏側の縫い目に2~3回糸を絡めて適当なところから針を出し、余分な糸を短く切って処理しましょう。
織りが細かい布を使用している場合は、玉止めを使った処理が可能です。服に刺繍をした場合、糸処理ができたあと、刺繍の裏面に薄手の接着芯を貼り付けると、ちくちくしないのでおすすめですよ。
【ミシン】既製品に刺繍するやり方・手順
ミシンで刺繍をする際に必要な材料は以下のとおりです。
- 刺繍機能が搭載されたミシン
- 刺繍用ソフトウェア(ミシンに対応したものを準備)
- 刺繍枠
- 刺繍糸
- 刺繍針
- 接着芯
- 糸切ばさみ
- 布(刺繍をしたい商品)
1)刺繍枠に布をセットする
刺繍したい布を、刺繍枠にはめ込みます。伸縮性のある布を使用する場合は、引っ張りすぎると仕上がりに影響するため、自然な状態ではめ込みましょう。
2)ミシンに刺繍枠をセットする
ミシンに刺繍枠をセットしましょう。刺繍枠は手縫いで使うものではなく、必ずミシンに対応した刺繍枠を使います。
3)デザインを選ぶ
ミシンに内蔵されているデザインや、刺繍用ソフトウェアで作ったデザインなどから選びます。ミシンが刺繍してくれるので、多少複雑なデザインを選んでも作成可能です。
4)刺繍糸をセットする
デザインに合わせて、必要な刺繍糸をセットします。刺繍糸は、ミシンに対応したものを使いましょう。
5)刺繍を開始する
刺繍糸のセットまで完了したら、刺繍を始めましょう。ミシンの指示に従い、刺繍糸の色を取り替えながら作業を進めます。
6)糸処理と仕上げ
縫い終わったら糸を処理し、裏側の接着芯を刺繍サイズのギリギリで切り落とします。水溶性接着芯を使っていれば、水やぬるま湯に浸して取り除きましょう。
【持ち込み】既製品に刺繍するやり方・手順
持ち込みで既製品に刺繍するやり方、手順は以下のとおりです。
- 刺繍のデザインを考える
- 事業者のホームページで商品を選ぶ
- カラーや数量などの仕様を選ぶ
- 購入する
- 確認する
持ち込みは、複雑な手続きを踏まないとできないイメージがある方もいるかと思いますが、5ステップで完結します。
1)刺繍のデザインを考える
まずはどんな刺繍を入れたいか、デザインやイメージを考えておきます。デザインが決まったら、データ化しておくのがおすすめです。
2)事業者のホームページで商品を選ぶ
刺繍を頼みたい事業者を探し、ホームページから刺繍をしたい商品を選びましょう。ベースとなる既製品を一緒に購入できるので、探す手間が省けます。
3)カラーや数量などの仕様を選ぶ
ベース商品のカラーや数量、サイズを選び注文画面へ進んだあと、マイページ内で刺繍デザインをアップロードします。細かな加工内容は、担当者に相談しましょう。
4)購入する
注文内容に間違いがなければ購入しましょう。事業者によりますが、刺繍の納期目安は1~2週間ほどといわれています。納品予定日を事前に確認しておくとよいです。
5)確認する
商品が届いたら、検品を行います。刺繍のデザインやサイズ感に誤りがないか、必ず確認しましょう。
自分で既製品に刺繍する場合の注意点
自分で既製品に刺繍する場合の注意点は、以下の3つです。
- 既製品に刺繍するときは裏側の処理に注意
- 刺繍枠が正しくセットで来ているか確認
- 伸縮性のある生地は引っ張りすぎないよう注意
それぞれ解説します。
既製品に刺繍するときは裏側の処理に注意
スウェットやパーカーに刺繍したあと、そのまま着用するとかゆみの原因に。
裏側に薄手の接着芯を貼ると、肌当たりが改善します。刺繍したあとは裏側の処理まで丁寧に行いましょう。
刺繍枠が正しくセットできているか確認
刺繍枠が正しくセットされているか、縫い始める前に確認しましょう。刺繍枠が正しくセットされていないと、縫っている途中で外れたり布がずれてしまったりして作業中のトラブルにつながります。
トラブルを防ぐためにも、刺繍枠をセットしたあとは、ねじがしっかり締まっているか、ずれていないかを確認しましょう。
伸縮性のある生地は引っ張りすぎないよう注意
刺繍をする際、布はピンと張ることが原則ですが、伸縮性のある生地に刺繍をするときは例外で、引っ張りすぎないように注意しましょう。
伸縮性のある生地をきつく引っ張った状態で刺繍枠にはめ込むと、外したあとに元の大きさに戻る力が働くため、刺繍周りにしわが寄ってしまいます。
しわのない自然な状態で刺繍枠にはめ込むことが、きれいに刺繍するためのポイントです。
【アイテム別】製品に刺繍するときのポイント
ここからは、アイテム別で製品に刺繍するときのポイントを解説します。
製品によって注意する箇所が違うため、きちんとポイントを押さえておきましょう。
トートバッグ
刺繍する際は、厚すぎず薄すぎない程度の生地のものを選びましょう。コットン地やツイル地は、刺繍向きの生地です。
厚手のトートバッグに刺繍をしたい場合は、別の布に刺繍してあとで貼り付ける方法がおすすめです。
また、持ち手の付け根や底の部分を避けて刺繍しましょう。持ち手の付け根は負荷がかかりやすく、底の部分は摩擦が起こりやすいため、刺繍が傷んでしまいます。長持ちさせるためにも、避けたほうが賢明です。
100円ショップのセリアの刺繍キットをアレンジして、トートバッグを製作しています。ナチュラルカラーの刺繍糸が、おしゃれな雰囲気を出していますね。
くすみカラーで統一された、ガーリーなトートバッグです。ブラウンのドット風の刺繍が、甘さをプラスしています。
その他のバッグ(カバン)
その他のバッグやカバンに刺繍する際は、ベースの生地選びに注意しましょう。
レースや柔らかめの合皮素材のバッグにも刺繍は可能ですが、難易度が高いため一度練習してから本番のバッグに刺繍するのがおすすめです。
専用の刺繍針もあったほうが、きれいに仕上がります。
また、薄手で伸びやすい素材のバッグに刺繍するときは、刺繍安定紙や接着芯を使って布を補強すると縫いやすいでしょう。
リュックに使われることの多いポリエステル素材は熱に弱いため、アイロンをするのは極力避けてください。
グリーン系のバッグに合わせて、刺繍もグリーンをメインに使いさわやかなバッグに仕上がっています。お花のつぼみに黄色や白の刺繍糸を採用しているため、春らしい印象です。
リュックに刺繍している例です。小さめの範囲ですが、目を引くデザインになっています。動物柄の刺繍は、初心者の方にも挑戦しやすいデザインでおすすめです。
パーカー
パーカーに刺繍する際は、厚みのある箇所を避けて刺繍しましょう。針が通れば刺繍は可能ですが、針の滑りが悪いとやりにくいです。
前身頃や後ろ身頃、前ポケットは生地に厚みがなくて刺繍枠もはめやすく、刺繍しやすい場所です。刺繍枠が入らない狭いところは、枠を使わず接着芯を貼って生地を補強して縫います。
シンプルな草花の刺繍を胸元に入れた例です。腕のメジロがよいアクセントになっていますね。
こちらもお花をメインに刺繍しています。背中の花びらや袖のお花に遊び心を感じるデザインですね。
Tシャツ
Tシャツに刺繍する際は、伸縮性のある生地に気を付けましょう。伸縮性のある生地はしわが寄りやすいため、裏に接着芯を貼って補強することがおすすめです。
刺繍枠を使うときは、引っ張りすぎないように注意してください。伸縮性が控えめなコットン100%のTシャツが刺繍しやすいですよ。
パンとお魚のキャッチーなモチーフが可愛らしい刺繍です。小さいワンポイント刺繍も集めると、存在感が出ます。
4人の女の子が手をつないでいるデザインです。服の色や花の色を変えると、違った雰囲気を楽しめそうですね。
Yシャツ
Yシャツに刺繍をするなら、オックスフォードシャツやブロードシャツがおすすめです。リネンシャツにも刺繍可能ですが生地が柔らかいため、裏に接着芯を貼って補強しましょう。
最初のうちは、刺繍枠がはめられる前身頃や後ろ身頃に入れることがおすすめです。ポケットに刺繍する場合は、一度生地を取り外して縫い直さないと刺繍できない場合があるため、注意しましょう。
ストライプのシャツにガーリーな花束の刺繍をあしらった例です。シンプルなストライプシャツに、女性らしさが加わりましたね。
胸元にビオラをモチーフにした刺繍をあしらった例です。ネックレスのような華やかさがあるシャツに仕上がっています。
watasiino!!なら、既製品への刺繍加工も承ります◎
既製品にオリジナルの刺繍を加えることで、日常のファッションやアイテムに特別感をプラスすることができます。
自分で刺繍に挑戦するのも楽しいですが、加工サービスを利用することで、よりクオリティの高い仕上がりを求めたり、複雑なデザインの刺繍を施したりすることができます。
既製品に手を加えて「世界に1つだけのオリジナルアイテムを作りたい」と思ったら、watasiino!!で製作してみませんか?
watasiino!!では、刺繍したい商品の持ち込みが可能です。既製品をオンラインで購入する場合は、送り先をwatasiino!!にしていただければ、そのまま加工作業に入れます。
デザインアイデアを伝えていただければオリジナルデザインを作成することも可能なので、初心者の方でも安心して利用できます。
また直接の刺繍だけでなく、刺繍ワッペンを作って既製品に貼るというアレンジもおすすめです。1枚からワッペンの製作を承っているので、小ロットで作成できるところを探している方にもぴったり。
ぜひwatasiino!!で、世界に1つだけのオリジナルアイテムを作ってくださいね。