暖簾(のれん)の種類はたくさん!目的によって色やサイズを変えるべき?

暖簾(のれん)の種類はたくさん!目的によって色やサイズを変えるべき?

日常生活で見慣れている暖簾ですが、実はその色やサイズによって意味合いが異なることをご存知でしょうか。そのため、暖簾を設置する際には、自分の目的に合った色やサイズの暖簾を選ぶことが重要です。

本記事では暖簾の歴史や漢字の由来といった基本知識をはじめ、暖簾をかける理由、暖簾の色で変わる意味合いをまとめて紹介していきます。

目次

そもそも暖簾とは

暖簾は日本の伝統風習で、家先や店先、商店の軒に吊るす布を指す言葉です。現代社会でも目にする機会の多い暖簾のルーツは、鎌倉時代末期に遡ります。

ここでは暖簾が日本に伝わった歴史や漢字の由来、暖簾という言葉が意味するものについて詳しく紹介します。

暖簾の歴史。漢字の由来は?

暖簾の文化は鎌倉時代末期、仏教宗派のひとつである禅宗とともに中国から伝わったといわれています。禅宗の修行僧たちが冬の寒さに耐えるため、善道の入り口に布を吊るしたことが、暖かい簾(すだれ)という漢字の由来です。

江戸時代になると、暖簾は禅宗のみならず一般市民の生活にも取り入れられるようになりました。普及が進むにつれて、暖簾は寒さ対策や日除けといった実用的な目的以外でも利用され始めました。具体的には、一家の家紋をデザインする、商家が屋号や商標をデザインする、あるいは店で取り扱っている商品を宣伝する、といった目的です。江戸の賑やかな町人文化を表す旗印として、暖簾は日本人の生活に定着しました。

現代日本においても、伝統的な暖簾はどっしりとした権威や日本人特有の奥ゆかしさを漂わせ、飲食店から一般家庭まで、私たちの暮らしの中のさまざまなシーンで利用されています。

近年はデザイン制作から暖簾作りを請け負う印刷会社が増え、新しい暖簾の在り方も生まれています。暖簾をカジュアルにも使うようになり、先進的なおしゃれな暖簾や、人気のアニメキャラクターをプリントした暖簾などが観光地やイベント会場に登場しています。

「暖簾」の意味はたくさん

暖簾という言葉は、文脈によってさまざまな意味を持ちます。

例えば「暖簾分け」という言葉は、商家で長年働いた店員が店長から了承を得て、同じ屋号を使って新店舗を開店することを意味します。暖簾はお店の屋号や商標を表すシンボルであるため、「暖簾を分ける=同じ屋号での出店を許可する」という意味になりました。

また、「暖簾をくぐる」と言うと、お店や建物に出入りすることを意味します。暖簾は商家や家屋の出入り口に吊るされるため、「暖簾をくぐる=建物に出たり入ったりする」という比喩になります。

さらに、M&Aの世界では買収された企業の時価評価純資産と、実際の買収価額の差額を「のれん」と呼ぶこともあります。のれんは会社の個別財務諸表には表現されないブランド的価値で、超過収益力とも定義されます。暖簾が商家にとって自店のブランドを表すシンボルマークであることから、このような意味に派生したと考えられます。

暖簾をかける意味は?

暖簾をかけることには実用的な理由のみならず、風水的な意味もあります。

実用的な意味・理由

暖簾をお店の出入り口に吊るすことで外気の侵入を防ぐ効果があります。冬場の寒い空気、夏場の蒸し暑い空気、あるいは風や雨などが店内に入り込むことを防ぐことで、快適な室内環境を整えられます。

さらに、暖簾は目隠しアイテムとしても便利です。玄関先に暖簾を吊るすと外から店の内部が見えにくくなります。これによって、室内で過ごす人も、また外を歩く通りすがりの人も、他人の目を気にすることなく過ごせます。

風水的な意味・理由

暖簾を玄関先に吊るすと、「煞気(さっき)」と呼ばれる外部の悪い気を遮断するといわれています。とくに商家や店舗の場合は期待する効果も大きくなりそうです。

また、店の名前や商品名がデザインされた暖簾は、縁起を担ぐ飾り物としての役割も果たします。新しくお店を開店する際や、お店を別の場所に移した際には、屋号や商標をあしらった暖簾を出入り口に吊るすことで、開運効果が期待できるようです。

暖簾の色にも意味があるの?

暖簾はその色によっても意味合いが異なります。色の選び方によっては、かえって逆効果になることもあるため注意が必要です。

ここでは暖簾のカラーバリエーションとして代表的な5つの色について、それぞれの意味を紹介します。

藍色の暖簾は虫除け効果

藍色の暖簾は植物の藍を用いて、藍染めと呼ばれる手法で作られます。藍には虫除け効果があるといわれており、藍色の暖簾には「虫を寄せ付けない」という意味があります。

その虫除け効果から、藍色の暖簾は主に蕎麦屋や呉服屋、酒屋などで頻繁に使われてきました。

茶色の暖簾は煙草屋やお茶屋

茶色の暖簾は、煙草やお茶の葉っぱの色を表します。とくに江戸時代の庶民は「刻み煙草」と呼ばれる茶色の煙草を嗜み、「番茶」と呼ばれる茶色いお茶を飲んでいたといわれており、茶色の暖簾はそれらの商品イメージに合っていたと考えられます。

白色の暖簾はお菓子屋や薬屋

白色の暖簾は砂糖の色に似ているため、砂糖をよく使うお菓子屋の店先によく吊るされていました。さらに、江戸時代は砂糖を薬として処方していたとも伝えられており、薬屋も白色の暖簾を吊るしていたようです。

黒文字の暖簾は商売繁盛

暖簾に黒色の字で屋号や商標をデザインすることは、商売の黒字を表します。そのため、業種問わずさまざまな商家が、暖簾に黒い字で店名や商品名をあしらいました。現代においても暖簾に黒い字で屋号や商標をデザインするケースが多いのは、商売の黒字を表すためと考えられます。

赤い字の暖簾はNG

黒い字の暖簾が商売繁盛を表す一方、暖簾に赤い文字を使うと商売の赤字を指すため商家ではNGとされてきました。縁起を担ぐためにも、暖簾を作る際は赤よりも黒の文字で屋号や商品名を表記するのが好まれるようです。

サイズ別!暖簾の種類

暖簾は色のほか、サイズにも種類があります。暖簾のサイズは主に、標準的な暖簾、長暖簾、半暖簾の3種類です。ここでは暖簾のサイズ別に特徴を紹介します。

標準的な暖簾

標準的な暖簾の長さはおよそ113cmです。113cmよりも長い暖簾は長暖簾、短い暖簾は半暖簾と呼ばれます。長暖簾および半暖簾の特徴については、後ほど詳しく紹介します。

約113cmの標準的な暖簾は店名をあしらったり、「営業中」と表記したりなど、業種問わず幅広く用いられています。

長暖簾

長さが約160cmもしくはそれ以上の暖簾は、長暖簾に分類されます。標準的な暖簾よりも布面積が広いため、日除け効果や目隠し効果が高いのが特徴です。

お店の出入り口が日当たりの良い方角にある場合や、お店の中を見えにくくしたい場合におすすめのサイズです。

半暖簾

半暖簾はその文字通り、標準的な暖簾の半分にあたる57cm程度のサイズです。長暖簾とは異なり、内部の様子が外から見えやすいのが特徴です。

居酒屋やラーメン屋など、店内の賑やかな様子を外にアピールしたいケースでよく利用されます。

<半暖簾の事例>

半暖簾

半暖簾

シーン・目的別!暖簾の種類

ここまで、暖簾の色やサイズの種類を紹介してきました。ここでは暖簾の代表的な利用シーンを3つピックアップして、それぞれの特徴を解説します。

日除け暖簾

店内を日光から守るために吊るす日除け暖簾は、長暖簾のなかでもとくにサイズが大きいのが特徴です。屋根から地面まで暖簾を吊るすため、全長は2mほどにわたります。暖簾には切れ込みを入れず、お店の屋号や商品名を大きく表記するのが一般的です。

<日除け暖簾の事例>

日除け暖簾

そば屋の日除け暖簾

水引暖簾

水引暖簾

水引暖簾は半暖簾よりもさらに短い、40cmほどの暖簾です。店名を宣伝するため、あるいは装飾の一環として店先に吊るします。サイズの小さい暖簾のため、営業時間外でも軒先に吊るしたままにされているケースが多いのが特徴です。

花嫁暖簾

花嫁暖簾

花嫁暖簾とは加賀藩の結婚文化で、今も石川県および富山県の一部に伝わる風習です。結婚する花嫁の両親が実家の家紋が入った暖簾をオーダーメイドして、花嫁道具として娘に持たせるのが花嫁のれんです。

暖簾には結界、つまり神聖な場所と俗な場所を分ける役割があります。花嫁暖簾には、実家と嫁ぎ先を分ける結界として、その暖簾をくぐって嫁ぐ覚悟を表します。

おしゃれなオリジナル暖簾が作りたいならデザインから発注するのがおすすめ!

暖簾は今なお家やお店、観光地、イベント会場など多くの場所で利用されています。近年は暖簾のデザインから製造まで一貫して注文できる印刷会社もあり、自分の好きな柄やキャラクターをあしらったオリジナル暖簾を簡単に手に入れられます。

「世界に一つだけのオリジナル暖簾を作りたい」
「飲食店の新規開店に向けて、縁起の良い暖簾を手に入れたい」
「イベント出店を控えており、マスコットキャラクターをあしらったキャッチーな暖簾を用意したい」

といったように暖簾を探している方には、watasiino!!がおすすめ。

定形のものだけでなく好きなサイズで作成できたり黒い暖簾も取り扱っていたり、たくさんのメリットがあるので、ぜひお問い合わせくださいね。

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