暖簾(のれん)は、店先ではお店の顔や日除けとして、家の中では空間の間仕切りや目隠しとしてなど、さまざまなシチュエーションで活躍するアイテムです。
暖簾と聞くと布地で作られたものを真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はいろいろな素材で作ることができます。
使う素材によって雰囲気が変わるため、特にインテリアとして使う場合は、イメージどおりの空間づくりに役立ってくれるはずです。
そこでこの記事では、さまざまな暖簾の作り方について、詳しく解説します。
基本的な暖簾の縫い方や、8種類の素材ごとの「ハンドメイド暖簾」の実例も紹介していますので、暖簾を手作りしたい方も、ぜひ参考にしてくださいね。
暖簾(のれん)の作り方は2通り
暖簾を作る方法は、手作りと、事業者に依頼するという2通りがあります。
それぞれ、メリットとデメリットを解説します。
手作りする(ハンドメイド)
メリット | ・材料費のみで安く仕上がる ・細部までとことんこだわれる |
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デメリット | ・時間と手間がかかる ・期待どおりのクオリティーにはならない可能性も |
手作りの良い点は、好きな素材で思うように作れ、安く仕上がることです。
ただしその分、手間と時間がかかります。作る過程を楽しむ余裕がないと、手作りは難しいかもしれません。
事業者に依頼する
メリット | ・事業者によってはデザインの段階から丸投げ可能 ・高品質なものができる |
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デメリット | ・コストがかかる |
事業者に依頼するメリットは、品質が保証されているうえ、楽に作れることです。事業者によってはデザイン作成からお任せしてワンストップで作れるので、高品質の暖簾を手軽に作ることができます。
コストがかかってしまうデメリットはありますが、特に店舗の場合は暖簾が店構えや店内の雰囲気を左右することもあり、クオリティーが重要です。小規模であっても店舗用の暖簾を作るなら、事業者に依頼するのがよいでしょう。
【手作り】基本的な暖簾(のれん)の作り方・縫い方
暖簾を手作りしたい方のために、布地を使った基本的な作り方を紹介します。
材料
- 生地
- ミシン(手縫いの場合は針と糸)
- はさみ
- アイロン
生地は、仕上がり寸法にプラスして、縫いしろ(横幅は左右2㎝ずつ、縦は上5㎝・下3㎝)が必要になります。
暖簾は同じ形の布を2枚縫い合わせるので、生地の横幅は仕上がり寸法以上に必要なのです。
例えば、幅90㎝×長さ70㎝の暖簾を作りたい場合は、横幅49㎝(45㎝+縫いしろ左右2㎝ずつ)、長さ78㎝(70㎝+上部の縫いしろ5㎝、下部の縫いしろ3㎝)の布を2枚用意します。
作り方
- 仕上がり時に表になる面が内側になるよう、2枚をぴったりと重ねます。
- 左右どちらかから、縫いしろ2cmほど開けたところに、2枚同時に上から縦に縫っていきます。縫う長さは、縫いしろ5cm+棒を通すスペース10cmくらいの、計15cmが標準的です。
- 縫ったところを中心にして左右に広げたら、ほつれないように縫っていきます。まずは左右と真ん中の縦4カ所を三つ折りにして縫います。縫いづらければ、折った状態でアイロンをかけてから縫うと、手軽かつきれいに仕上がります。
- 縦を縫い終えたら、上下を縫います。上は棒が入るよう、余裕をもって4cmほどの幅になるよう三つ折りにして縫います。下は棒が入りませんので、上よりは狭く、2cmほどの幅になるように三つ折りにして縫えば完成です。
【手作り】縫わない暖簾(のれん)の作り方
家にミシンもなく、手縫いもできない場合は、縫わなくてよい暖簾を作ってみましょう。
こちらは簡易的な暖簾になるので、外で使うのではなく部屋の間仕切りや目隠しとして使うのがおすすめです。
材料
- 手ぬぐい2枚
- 突っ張り棒
- ヘアピン2本(またはホッチキス・布用接着剤など)
突っ張り棒は太さや長さによって種類が色々あるので、暖簾 を掛けるスペースの詳細を測ったうえで用意しましょう。
作り方
- 手ぬぐいの端で突っ張り棒をくるみます。
- 突っ張り棒をくるんだ部分の両端を、ヘアピンで留めたら完成です。
手ぬぐいを留める方法は、ヘアピンの他にもホッチキスで留めたり布用接着剤を使ったりという方法があります。
【手作り】長い暖簾(のれん)の作り方
暖簾と聞いて多くの人がイメージする暖簾は、「半のれん」と呼ばれる長さ60㎝程度のものが一般的でしょう。ただ中には、目隠ししたい場合に使う「長のれん」「楽屋のれん」と呼ばれる、長さが140〜180㎝のものもあります。
長い暖簾の作り方も、上述の「【手作り】基本的な暖簾の作り方・縫い方」と同じように縫い合わせると完成します。
暖簾を掛ける場所に合わせて最初に縫う部分の長さを調節すると、バランスの良い暖簾になります。
【手作り】突っ張り棒に通す暖簾(のれん)の作り方
いろいろなシチュエーションで大活躍する突っ張り棒ですが、暖簾にも使うことができます。
厚い生地で重さがあると、突っ張り棒が重さに耐えきれずに落ちてしまいますが、一般的な生地なら長さがあっても十分耐えられるでしょう。
生地の縫い方は「【手作り】基本的な暖簾の作り方・縫い方」で紹介した方法と同じです。
使う突っ張り棒の太さに合わせて、上部の筒部分のサイズを調整しましょう。
チチ部分の作り方
基本の縫い方として紹介したのは「袋仕立て」という縫い方で、関西で広く使われる仕立てです。関東では「チチ仕立て」と呼ばれる、暖簾の竿を通す部分を輪っか状にして仕立てる方法が一般的です。
チチ部分(竿を通す部分)は、暖簾と同じ生地を細長く切り、暖簾の幅に対して均等になるように縫い付けます。
チチ仕立ては竿が見える部分が多いので、竹のような、雰囲気のある竿を使いたい場合におすすめの仕立て方です。
【手作り】素材別の暖簾(のれん)作成事例
ここでは、いろいろな素材で作った暖簾を紹介します。
着物をリメイクした暖簾
暖簾をハンドメイドするなら、もう着なくなった着物のリメイクがおすすめです。なぜなら、着物をほどいた反物は細長く、暖簾のサイズにちょうどよいから。生地や柄も華やかで個性的なものが多く、部屋の雰囲気ががらりと変わりそうですね。
パッチワークの暖簾
三角形と四角形が組み合わさることで、個性的な暖簾になっていますね。パッチワークは、細かな端切れを有効活用して好みの柄や色を組み合わせられることが魅力です。
複雑な形にこだわらないなら、まっすぐ縫ってつなげるだけなので初心者にもおすすめです。
ヨーヨーキルトの暖簾
ヨーヨーキルトとは、円形の布を縫って縮めた小さなモチーフをつなぎ合わせたものです。ギャザーを寄せた丸いシルエットがヨーヨーに似ていることから、このように名付けられました。
丸く切った布の端を折り畳みながら、表・裏と交互になみ縫いし、一周縫い終わった後で糸を引き、ギャザーを寄せると完成します。
パッチワークと同じく、端切れで作ることができます。
ビーズ暖簾
色とりどりのビーズで作った暖簾です。同じ種類のビーズを使っているため、統一感がありますね。ビーズの暖簾は糸やテグスに好きなビーズを通してくだけなので、初心者でも簡単に作れるでしょう。
光を受けたビーズはとてもきれいで、インテリアの主役になれそうです。
スズランテープ暖簾
荷造りやボンボン作りで使うスズランテープ。実はいろいろな使い方ができるんです。編み物でも活躍し、私もスズランテープでバッグを作ったことがあります。
薄くて扱いやすいスズランテープの暖簾は、幼稚園や保育園で子どもが遊ぶために作られていることが多いようです。
ひもなどに結ぶだけで簡単に作れて、子どもも楽しく遊べます。
マクラメ(ひも)暖簾
アラビア語で「交差して結ぶ」という意味のマクラメ。マクラメ編みは、手で紐を結んだり編んだりという工程を繰り返し、模様を生み出す技法のことです。麻ひもや綿ロープなどの太めのひもやロープを使って編んでいきます。
いろいろな編み方があるので、マスターできたら楽しそうですね。
折り紙の暖簾
色々な折り紙をパッチワーク風につなぎ合わせた暖簾です。横から見るとハート型のようになっているのがかわいいですね。
ただ折り紙を切ってつなぐだけでなく、立体的につないでいるので、ボリューム感のある暖簾に。細かい模様の折り紙を使うことで色使いも工夫されていて、やさしい雰囲気に仕上がっています。
毛糸の暖簾
毛糸でポンポンを作ってつなぎ合わせた暖簾です。編み物をする身としては、毛糸は編むものだと思っていたので「こんな使い方もあるんだ!」と新しい発見です。
毛糸は中途半端に余りがちなので、余った毛糸でいろいろな種類のポンポンを作って暖簾にしたら、個性的な暖簾が完成しますね。
二重暖簾の作り方
レースと布地を組み合わせた二重暖簾です。二重暖簾は、もちろん2枚でも使えるし投稿のように1枚だけ結んでも使えるので、いろいろな雰囲気を楽しむことができます。
レースに限らずシースルーの生地であれば、二重に重ねて素敵な暖簾が作れるでしょう。布とひもなど、異素材の組み合わせを工夫するのも楽しそうです。
【事業者に依頼】暖簾(のれん)の作り方・手順
ハンドメイドの暖簾も素敵ですが、店舗用として使うなら本格的なオリジナル暖簾を作りたいですよね。
ここでは、事業者に依頼して暖簾を作る場合の手順を紹介します。
デザインを考える
暖簾のデザインは、設置場所や目的から考えてみましょう。
店頭に掛けた暖簾は店の顔として、いわば広告としての役目も果たします。「こんなデザインがいい」という思いも大事ですが、お店のコンセプトや周辺の雰囲気も踏まえてデザインを考えるとよいでしょう。
暖簾のデザインについては、以下の記事で詳しく解説しています。
生地を選ぶ
暖簾の生地としてよく使われるものには、以下のような種類があります。
素材 | 特徴 |
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麻 | シャリ感や張りといった独特の風合いがあり、高級感がある |
綿 | 織り方によりいろいろな種類があり、価格が手頃 |
ポリエステル | 加工しやすく耐久性が強い。フルカラープリントにも対応 |
デザインと同じように、設置場所や目的から生地を選びましょう。
お店用に、防火加工や撥水加工に対応している事業者もあります。
暖簾の生地については、以下の記事で詳しく解説しています。
事業者に依頼する
事業者に注文する際の手順を紹介します。
- サイズを決め、生地や仕立て方を選ぶ
掛ける場所によっては、暖簾棒や暖簾受けといった付属品が必要になる場合もあります。 - 見積り依頼
要望があったら伝えたうえで、見積りを出してもらいます。 - 注文・デザインデータ入稿
見積り内容に問題がなければ、デザインを作成して入稿します。事業者によっては際はデザインの相談に乗ってくれたり、テンプレートを紹介してくれる場合もあります。 - 製作・出荷
デザインが決まったら製作開始。出荷までには1週間〜10日程度かかるのが一般的です。
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基本的な暖簾の縫い方や素材別のハンドメイド暖簾など、さまざまな暖簾について紹介しました。
ハンドメイドの暖簾も温かみがあって素敵ですが、店舗で使う暖簾は店の顔となるので、事業者に依頼して作るのがおすすめです。
本格的なオリジナル暖簾を作りたいなら、オリジナルプリントサービスの「watasiino!!」を利用してみませんか?
「watasiino!!」では、他社ではあまり取り扱いがない4m以上の暖簾や黒い暖簾も作ることができます。
暖簾かけも自社製造の白木暖簾かけを採用。サイズのオーダーはもちろん、外装や雰囲気に合わせて塗装も可能です。
既製品と違って生地の素材にもこだわり、ポリエステルを使用しています。即効性があり長期間外気に触れても劣化しにくいポリエステルは、店舗用として使うのにぴったりの生地です。
また、完全オーダーメイドのため、名入れやフルカラーのプリントにも対応。デザインから丸投げOKなので、プロにデザイン作成を依頼することもできます。
もちろん、店舗用だけでなく家庭用の暖簾も製作可能ですよ。
創業20年の実績がある「watasiino!!」で、理想のオリジナル暖簾を作ってみてくださいね。